みなさんこんにちは。本日はアトピー性皮膚炎の治療薬、中でも圧倒的な効果により患者様満足度が一番高い注射薬デュピクセントについてご紹介させていただきます。
アトピー性皮膚炎とは皮膚のバリア機能が低下し、かゆみを伴う湿疹が良くなったり悪くなったりを繰り返す病気のことです。そして、アトピー性皮膚炎の症状である痒みによって夜十分に眠れなかったり、全身の皮膚をひっかき過ぎてしまうため傷があらゆるところにできてしまったり、顔に症状がある場合には白内障や網膜剝離といった眼の合併症のため視力に影響が出たりなどの症状でQOLの低下がしばしばみられます。従来の治療法は①スキンケア ②薬物療法 ③悪化要因の対策の3つが治療の基本となり、正しい治療を行うことで症状をコントロールすることができます。
薬物療法には主に
1.〈外用薬〉
ステロイド外用薬
タクロリムス水和物軟膏
JAK阻害薬
PDE4阻害薬
2.〈経口薬〉
JAK阻害薬
3.〈注射薬〉
ヒト型抗ヒトIL-4/13受容体モノクローナル抗体 皮下注射(デゥピクセント)
ヒト型抗ヒトIL-31受容体Aモノクローナル抗体 皮下注射(ミチーガ)
があります。
そして本日はデュピクセント注射薬についての詳細を少しお話させていただきます。
デュピクセントはアトピー性皮膚炎で皮膚の炎症を引き起こすと言われているIL-4、IL-13をはじめとするサイトカインという物質を抑えます。これらの物質を抑えることでアトピー性皮膚炎の主な要因である炎症、かゆみ、バリア機能低下のすべてに対する効果が期待できます。
投与できる方は今まで6ヶ月以上ステロイドの外用剤で十分な効果が得られなかった方にお使いいただけます。投与ができない方はデゥピクセントに含まれる成分に対してアレルギー反応を起こしたおことのある方です。デュピクセントの導入時はまず院内で2本注射します。そして2週間後に再診していただき、この時にまた院内で1本注射します。そしてまた2週間後に再診していただきこの時に自己注射分をまとめて処方することが可能です。自己注射の指導も数回指導をさせていただきます。
当院でデュピクセントを導入したすべての患者さまで痒みなどの症状や、ひっかき傷、赤みなどの皮膚症状の改善が劇的にみられており、QOLが向上したというお言葉をほぼ全ての患者さまから頂いております。ただ一番のデメリットは値段が高いということです。デュピクセント注射1本あたり保険が3割負担の方で約20000円です。このため導入時に40000円や自己注射分をまとめて処方する際に20000円×本数分の金額がかかります。最近は企業の補助金制度や高額療養費制度を上手に使われている方がたくさんいらっしゃいますので、質の良い治療を低額で受けられる場合が多いです。
そして今まで15歳以上のみ使用可能であったデュピクセント注射薬がその安全性や効果などの称賛を受け生後半年以上のアトピー性皮膚炎の患者様にも使用可能になりました。
今まで日常生活にまで支障をきたすまで痒みが強く、整容面でも悩んでた小児の方々にも使用可能になったということがとても心強いかと思います。デュピクセント注射薬は個人的にもとても良いお薬であり、今のこの時代アトピー性皮膚炎は治るということを実感できるお薬だと思いました。
是非ご興味のある方はいつでも相談にだけでもご来院してください。